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作曲:ヘンデル 2021年7月15日 初版刊行
圧倒的な存在感溢れる古典歌曲の名曲 オンブラ・マイ・フ Ombra mai fù のレチタティーヴォで始まるオペラ。ヘロドトスの「歴史」や旧約聖書「エステル記」に取材した作品という事になると、史実に基づいた難解な人間関係を縦糸に音符を散りばめてゆくグランドオペラを想像するだろうが、作曲者ヘンデルは、この作品セルセ(クセルクセス1世)に政治的な人間関係を一切介入させず恋愛関係に終始させた。
ペルシア国王セルセの婚約者アマストレはタゴール王国唯一の後継者であるが、セルセの様子を窺うために男装の麗人として登場する。
しかし、セルセは、異母兄弟アルサメーネの恋人ロミルダの魅力に魅惑され、あろう事か彼女を王妃として迎え入れようとする。セルセからロミルダの父、領主アリオダーテに自分と同じ血を引く者との婚姻関係をロミルダに求める旨を告げると、アリオダーテはセルセの弟君アルサメーネと娘ロミルダとの婚姻を認めてもらえたと勘違いし、ふたりを結婚させてしまう。
ロミルダの妹アタランタもアルサメーネを片思い…
何重にも愛の横糸が複雑に絡まりあい、さて、その結果は?
Ombra mai fu はじめ10数曲にも及ぶ珠玉のアリアに包み込まれた不滅の名曲。
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